イニエスタ選手も素晴らしいですが、チーム全体のイメージ共有が図られ始めたのではないでしょうか?
新戦力も戦術にあった選手が獲得されていることでスムーズに試合に入っているように思えます。
イニエスタ選手だけではなく、そんなチームに仕上げてきている監督、選手、スタッフを称える記事がどんどんでてほしいですね!
紹介しているのは記事の一部ですので、全文は引用元のフットボールチャンネルをご参照ください。
●ゲームメイクで違いを生み出した
スコアレスで迎えた37分、新加入の長沢駿が頭で落とすと、三田啓貴が抜け目ない動きと個人技からネットを揺らした。後半にも1点を追加したヴィッセル神戸が湘南ベルマーレに勝利。先制点の場面で長身FWの頭にピンポイントのボールを送ったのが、アンドレス・イニエスタだ。この日、元スペイン代表はフィニッシュの数手前で存在感を発揮している。
7月22日にノエビアスタジアム神戸で行われたホームでの第17節・湘南戦、イニエスタはJリーグデビューを果たした。この時はビハインドの状況で後半途中からピッチに立つと、約36分間で見せ場を作っている。特にアタッキングサードで違いを生み出しており、今後もフィニッシュに関わるシーンが増えるだろうと予想された。
実際、スペインへの一時帰国から再合流して迎えた第21節・ジュビロ磐田戦では、芸術的なターンから相手を無力化し、初ゴールを記録。続くサンフレッチェ広島戦でも強烈なミドルシュートを突き刺し、2試合連続ゴールとした。フィニッシャーとしても一流ということを証明する結果となったが、この日の湘南戦ではまた違った姿を披露している。
ロングボールを織り交ぜながら前に出てこようとする相手に対し、神戸は様子をうかがう。スタメンや人の配置に変化があったことでチームとしてアジャストしているようだった。そして、少しずつ神戸がギアを上げていく。その中で、イニエスタは主にゲームメイクを担っていった。
●食いつかせてパスで剥がす。それを平然と続けていた
16分、イニエスタは中盤でボールを持つと、相手を引きつけておいて味方とのワンツーで打開。人を捕まえに来る湘南の選手の動きを利用する形でフリーになり、持ち運んでスルーパスを供給した。
また66分には、郷家友太からパスを受けるとイニエスタは三田に預ける。三田が縦につけ、長沢の落としをもらったイニエスタは左足ダイレクトで右のスペースへパス。ルーカス・ポドルスキが中に持ち込んで左足シュートを放った。
郷家から受けた時、イニエスタは1つタメてから三田に出している。このタメによって対峙する相手と入れ替わることに成功。長沢の落としを受けた時にはフリーの状態で、前向きに次の選択に移ることができた。
さらに70分にも、三田とのパス交換でイニエスタが前を向いた。自分のところで失わなければ味方がプレーしやすい状況になることをわかっている。だが、それを平然と続けることができるのがイニエスタのイニエスタたる所以なのだろう。
相手を食いつかせておいて剥がす、というプレーをイニエスタは前半から多用していた。湘南のアプローチも鋭いが、神戸の背番号8は相変わらず無駄のない動きで簡単に入れ替わった。そこでボールを失えば一転してピンチになるが、剥がせれば一気にチャンスとなる。ギリギリの駆け引きをイニエスタは行っている。
試合前にスカウティングの結果は伝えられているはずだが、実際に対峙してみてわかることもあるだろう。イニエスタは前半の早い段階で相手の特徴を把握していた印象だ。
イニエスタはこの日、相手のブロックの前でプレーする時間が長かった。自らフィニッシュに持ち込むような場面はなくとも、チームが攻撃を完結できるよう操った。先制点の場面でも相手はイニエスタの前に人を並べ、長沢にもマークがついていた。それでも、少しでも時間を得ると、長沢の高さや三田が抜け目なく走りこんでくるであろうことを計算してあの球種を選択した。
●直近2試合とは異なる、イニエスタの真骨頂
直近2試合では自ら相手の守備を“破壊”し、今回は味方のチャンスを作り出した。バルセロナ時代はどちらかと言えば後者のプレーが真骨頂だった。イニエスタがその瞬間に見ている絵、そして数秒先の未来を描いた絵を、神戸の選手たちが共有しているということではないだろうか。
再来日後、これで3試合連続フル出場となった。今回の湘南戦は何度かボールロストがあり、疲れもあるのかもしれない。しかし、ファウルを受けるシーンも多く、マイボールでのリスタートを手にしている。その点でも、どんどんチャレンジしてくる相手のスタイルを見極めてプレーしていたと言える。
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