ハイライト
J1リーグ32節
ヴィッセル神戸 - サガン鳥栖
11月10日(土)/14:00/ノエビアスタジアム神戸ヴィッセル神戸
今季成績(31節終了時):11位 勝点40 11勝7分13敗 39得点・47点【最新チーム事情】
●11月11日からUAE遠征に臨むU-21代表に、藤谷と小林が選出される。
●キム・スンギュが韓国代表メンバーに招集。韓国代表は17日にオーストラリア、20日にウズベキスタンと対戦。
●前節の名古屋戦(2-1)でリーグ7試合ぶりの勝利。【担当記者の視点】
前節の名古屋戦では、ポドルスキの2ゴールで粘り勝ち。リージョ体制で初勝利を挙げた。GKに前川、中盤に伊野波を抜擢するなど、新たな試みも見られた。全体のバランスは悪くなかっただけに、前節のメンバーを今節も起用しそうだ。変わるとすれば、負傷交代したティーラトンの代わりに橋本が先発する程度だろう。今節のポイントは、中盤のイニシアチブを握れるかどうか。テクニシャンの小野が出てくると厄介だが、三田、藤田、伊野波でイニエスタのサポート体制を敷ければ、ボールを保持できるはずだ。
気を付けたいのはカウンターだろう。A・ヤセルと大﨑のCBコンビが前に持ち運んだ際のリスクマネジメントが徹底できなければ、F・トーレスに隙を突かれる恐れがある。
大卒2年目のGK前川黛也(写真)が、前節の名古屋戦でリーグ戦デビューを果たした。韓国代表GKキム スンギュの“代役”ではなく、彼を控えに回しての出場には大きな価値がある。しかも、ファン マヌエル リージョ監督の53歳のバースデーに、好セーブ連発で白星というプレゼントももたらした。チームとしても8試合ぶりの勝利で、J1残留を手繰り寄せる1勝。前川のプロ人生が、ここから大きく動き出す予感すら感じる。意味のあるデビューだった。関西大学から神戸に加入したのは2017年。元日本代表GKを父に持つサラブレッドとして脚光を浴びた191㎝の長身GKは、クラブの期待を示すように正GKの背番号「1」を背負った。だが、ルーキーイヤーの昨シーズンはキム スンギュ、徳重健太(長崎)の存在が大きく、カップ戦を含む公式戦の出番はなし。徳重の移籍でチーム内序列が上がった今シーズンも、天皇杯1試合、ルヴァンカップ7試合に出場したものの、ここまでリーグ戦での起用はなかった。それでも決して腐ることはなく、日々のハードなトレーニングを黙々と続けてきた。
「いつ試合に出ても大丈夫なように準備をしていた。(リージョ)監督から先発で使うと言われたのは名古屋戦の2日前。その時は驚いたし、当日は緊張もした。でも、やるしかないと腹をくくった」
名古屋戦はJ1残留を左右する直接対決。両肩に大きなプレッシャーがのしかかった。スタジアムは4万人を超す大観衆。試合開始のホイッスルが鳴っても緊張は解けなかった。
だが、幸いにも開始約3分の1プレーで緊張が解けたと話す。
続き:J’s GOALニュース
■□■□■ ヴィッセル神戸 Part 920■□■□■
元スレ:http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/soccer/1541760784/
スタメンは右に壮
スンギュはなんでやろか。
ヨシマールのモチベ上げるためとか?
スンギュは代表は呼ばれてるから全く試合に出れないコンディションってわけではないだろうが
副審:岡野宇広、川崎秋仁
第4の審判:上村篤史
前の時は藤谷が完全に負けてたから
鳥栖長崎の試合は酷く荒かったからイニエスタがケガしないことを祈るばかり
この前ベンチ外だったろ!
それな
金崎は個人でどうにかできてしまうところがあるからな
藤谷郷家小林あたりを一人前に育ててほしい
そういうのはないだろ
ノエスタでは初?
ライトなので初めて見た。
導入初?
カウンターを止めきれない嫌な予感がする。
博文好きな選手なんだけどなぁ
金崎はコスタだからマッチアップすると凄い疲れるんだよね。
審判にカード出す勇気なかったからなんとかなったな。
まあ交代
無難な審判しようとしすぎてそれすら出来てないって言うね
技術が足りないのはわかるが
降格しそうになったら気持ち的にどこでもこうなるししゃーない
守れるチームにはなったな
欲を言うなら決めたかった
まあ久々の無失点に加え勝ち点があったことをポジる
吹田が湘南に勝てば残留は99パー大丈夫
内容普通に良かった
後は点だけ
藤谷はこのままだとしんどいなあ
カウンターのシーンとか一人で相当カバーしてるぞ
前3失点で負けたからな
あれじゃ足使えんし藤谷使う意味ないんじゃないかな
ボール取られてから速攻で何人も取り返しに相手に襲いかかる事なんて少なかったし
あらためて文章にすると酷いなw
小学サッカーかw
まじで確定なの?
年俸960万以上の価値あり。パスもでき決定力もあり突破力もあり運動量もある。24歳と油も乗ってる
ポリデント三原ロールの方が合ってるのかな
もともと苦手なとこやからいいかという気がする
成豪J1初ゴールの地へ
サイド空けて中央を固めてたからのぅ
どこに打っても誰に当たって真っすぐ行きそうにない感じだった。
権田だから浮いたクロスで時間与えるとそこはちゃんとカバーするしさ。
もうちょっとエグり切ってマイナスのグラウンダーのクロス、とかが出せたりしないとなかなか。
あと、PA内に人が足らんことが多かった。
今日の鳥栖の守備やとえぐりきれてない。ティーラトンもっと出ていって釣りださなあかん。イニエスタ何回もそういうパスしてたのに
どれかが決まってほしかったなあ
中央を固めて最後の砦には権田
イバルボが怪我してなかったらもっと良い順位にいるだろうな
でもあれが岩波やったらこのスレでボロクソ言われてそうやw
名古屋と湘南がぶつかる試合でお互いに引き分け、名古屋湘南が残り1試合を勝って、ジュビロがうちより勝ち点が多いか得失点差が少ない場合だけ神戸が落ちる
流石にそんなパターンないやろ?w
今後も前川で良いかな
外国人枠が一つ空くのは大きいし
あとなんか審判邪魔なとこにおったなぁ
ヤセルもどんどん良くなってきてる
とはいえ中盤1枚削ったら間違いなく守備破綻するからコレしかないんだよなぁ
今日は一緒に食事かな
みたいな感じだけど今はマジで固定砲台みたいになってきたな
病みつきになる威力
水を撒きすぎ?
勝ってるチームはいじらんけどな…
でもチーム力は上げれる監督と思う
3年位任せたらタイトル取れそう🎵
鳥栖1勝1分以上
湘南と名古屋が次勝って最終節引き分け
町田が3位以下かつ入れ替え戦に負ける
流石に残留確定だな
あれほどまでにペナルティエリア内でボールを細かく回せた事がこれまであっただろうか?
リージョの思い描くサッカー観が随所に感じられた見所の多い試合だった
選手たちが責任のとれる選手に成長していた
ヴィッセルの選手たちは技術的には問題がない
ただプレーのやり方を知らないだけだった
すなわち難しい状況になると責任を放棄してしまう傾向があった
プレッシャーがきつくなるとシュートを放ったり大きくボールをクリアするのは責任の放棄である事をリージョは教え込んだのだろう
リージョとスタッフ達お疲れさんやで
しかし伊野波の使い方に活路を見出すとは思わんかった
まあ引き分けだけど内容は押せ押せで良かったんじゃないかな
やはりティーラトンと藤田が穴かな。あとウーゴ欲しいわ
これに尽きる。イニポルは最高
無難にやってた印象だけど
まあ簡単にクロス上げすぎてたからもう少し考えないとあかんけど
あと中に入って切り込むプレイも良かったけど
ここで酷評される程じゃなかったと思う
前川は前節に続き良かったよ
ポドルスキが藤谷に怒ってたな
金崎まとわりついてもビクともせんくてワロタ
体幹強いんだろうなぁ
まあ今日に限って言えば中ガッチガチやったからなー
犬顔だよぬ
あれが日本人枠として取れるなんて最高
ヴィッセル神戸 試合後コメント
ファンマ監督
今日の試合は、「サガン鳥栖というチームと対戦する時はこうなるだろうな」とある程度想定できる範囲内に収まったと思います。サガン鳥栖は自陣に閉じこもってどこかでチャンスが訪れるのをチーム全体で待ち構えるという戦い方で、ゴールのシチュエーションを作るのが難しいということも彼ら自身は分かっていたと思います。私たちは3枚中盤にいた選手たちのおかげでゲームをコントロールできました。イニエスタ選手やポドルスキ選手が相手の14番(高橋義希選手)や36番(高橋秀人選手)の背後でプレーすることを狙っていたのですが、彼らはセンターバックと距離が近く、我々のボランチに対してプレッシャーをかけてきませんでした。そういった試合の重心が非常に相手コートに傾いた状況の中でゴール前にボールを運ぶことが許されたのですが、その中でも左サイドのティーラトン選手が少なくとも8回は深い位置までボールを運びました。ただ残念なことに、ゴールを決めるためのクリーンなシチュエーションを作れなかったのは残念なポイントだったと思います。なので、ある程度距離のある遠いシュートを打つしかなかったですね。ポドルスキ選手やイニエスタ選手、古橋選手のシュートはありましたが、残念ながら運悪くゴールにつなげられませんでした。ただ、選手たちのチームへの献身性や努力は非常に評価したいと思いますし、最終的にヴィッセルが無失点で試合を終えることができたのは今までなかなかなかったので、そこは一つの成果だと思っています。
監督質疑応答
-最後1点をもぎ取るというところで、交代枠が1つ残っていました。攻撃のカードを切るという選択肢はなかったのですか?
今までの試合でも同じようなシチュエーションが起こったことがあると思うんですけども、これまでのシーズン全体の流れや練習の形式などを考慮すると、選手たちのフィットネスコンディションというのがいいものではなく、そういった決断を踏みとどまざるを得ない状況にあります。間接的な部分でのケガというリスクも含めて、私たちが交代を使うというよりは、試合に交代を使わされてしまう状況に近く、前回の名古屋戦でもティーラトン選手や大﨑選手を交代せざるを得なかった状況がありました。名古屋戦の話になりますが、伊野波選手が最後まで持つかという部分もありましたので、そういった交代がなかなかうまく使える状況にありませんでした。今日も同様に、伊野波選手から交代を申し出ました。交代枠が3つある中、いろいろな背景を考慮して思い通りに使うことができませんでした。こういった1点で結果が左右される試合で起きてほしくはなかったのですが。
前川黛也選手
-2試合連続のスタメンでしたが、試合を振り返っていかがでしたか
今回もスタメンというかたちでチャンスをもらえたことは嬉しいです。結果、引き分けでしたがクリーンシートを達成できて良かったです。
-無失点でおさえられたことは自信につながっているのではないですか
チーム自体も無失点の試合が多くなかったので、個人としても、チームとしても、自信につながっていくと思います。
-攻め込まれるシーンも落ち着かれていたようにみえましたが、いかがですか
最後尾の選手が慌てるとチームにもそれが伝染します。逆に自分が冷静にプレーすることが味方の安心感につながると思っています。
-試合前に監督から指示はありましたか
監督からはいつも無失点でチームの勝利に貢献してほしい、そして自分の個性をチームの中で出してほしいと言われています。
-残り2試合もスタメンを狙っていると思いますが、意気込みをお願いします
今日のようなクリーンシートを続けていけば、負けることはないので、チームの最後尾からしっかり支えて、チームの勝利に貢献できるように、残り試合もしっかり声を出してチームを盛り上げたいと思います。
アンドレスイニエスタ選手
-勝点1を得ましたが、残留に向けた見通しは
シーズンの今の状況では、勝点1はとてもポジティブなものだと感じています。勝点が並んでいて、(残留争いは)厳しくなっていますが、残り二試合を残して勝点1をとれたことはよかったです。いい内容の試合だったので、結果が出てほしかったです。
-トーレス選手と久々に同じピッチに立った感想を教えてください
今日はお互いにとってとても大事な試合でした。彼とはいい関係ですし、異国のリーグで一緒にプレーできたのはいい事です。お互いがそれぞれのチームで全力を尽くした結果、最終的には勝点1を分け合うことになりました。
古橋亨梧選手
-試合を振り返っていかがですか
まずは無失点で(ゲームを)終われたので良かったです。攻撃陣としては、0点で終わってしまったので、次回は点を取りたいです。(試合を通して)どこかでチャンスが来るかなと思っていましたが、うまく(ディフェンスラインの)裏に抜け出すことができませんでした。
-監督からどんな指示がありましたか
自由にやっていいと言われました。得点できずに悔しかったです。
シュートまでいく形ができなくて、僕もあまりボールを引き出せなかった。相手が堅かった中で混乱させる動きをしないといけなかった反省がある。--前半は相手も引き気味だった。
僕らがボールを持っている時間が長いので、サイドを崩す場面もあったし、もっと精度を高めていかないといけない。--後半は鳥栖も前からアグレッシブに守備をしてきた。
どこかでスキはあると思って、狙っていた。一回抜け出してシュートに持っていく場面もあったし、そこをもっと安定してやれるようにしないといけない。--勝点1という結果について。
負けなかったことは良いことだし、(失点)ゼロも良かったけど、攻撃陣としては(得点)ゼロで終わってしまっているので、課題は残っている。後ろがこれだけ頑張ってくれている中で、前はもっと奮闘しないといけない。慣れないポジションをやっているからって、これだけチャンスをもらっている中で結果を出さないと。そのためにも練習しないといけない。
サガン鳥栖 試合後コメント
金 明輝監督
たくさんのサポーターが駆けつけてくれて、本当に後押しになりました。そういった部分でしっかりと勝って帰りたかった。ただ、勝点1というのも僕らにとっては大事な1だったので、ポジティブに捉えています。
内容に関しては前半、今までの神戸さんの試合を観ると、前半に勢いを持っていたりする部分があったので、守備に回るわけじゃなかったんですけど、これくらいの形は予想していた。失点せずに戻ってこられたことは良かったですし、後半にもう少し前がかりに、選手交代を含めて出ていったところで2、3回あったチャンスを決め切れたらなと。プランどおり進んだのかなと思います。
相手の(アンドレス)イニエスタ選手、(ルーカス)ポドルスキ選手に関しては、思っている以上にボールを取られない部分が長けていたので、対処に苦労したが、しっかり頑張って(失点)ゼロに抑えてくれたのは良かったと思っています。
--J1残留へ、残り2試合への意気込みを。
1週空くので、しっかり準備して、相手の分析を含めて良い準備をしていきたい。--フェルナンド トーレス選手の今日の出来について。
ベストを尽くしてくれたかなと思っています。交代に関しては戦術的な要素。もう少し背後のスペースを、金崎(夢生)選手も少し疲れてきているのがあったので、田川(亨介)選手のスピードを生かしたいとの判断でした。フェルナンド トーレス選手
勝てば幸せなことだし、今日は負けてはいないが、いつもチームのために頑張り続けたいと思う。
--2回目のキャプテンマークを巻いたことについて。また、勝点1をどう受け止めるか?
キャプテンマークに関しては、本当に最初、驚いたんですね。ビックリして。いま考えているのは、良いことだと思います。自分の中では誇りに思っている。今日の試合は引き分けとなり、内容的には満足できないが、次の試合がある。次の試合のためにしっかり準備して頑張りたい。次は絶対に勝たなければいけない。
権田 修一選手
イメージ的には今日勝って、次のホーム最終戦で残留を決めたかったけど、(今季)最終戦までもつれることは確定した。物足りなさはもちろんあるし、勝点3を取りにきたので、悔しさのほうが強い。
--前半は押し込まれる中でクリアが多くなった。それは割り切っていたのか?
もう少しつなげたら良かった。(ルーカス)ポドルスキ選手や(アンドレス)イニエスタ選手は取られた瞬間は最初にバッと来る。そこを外せれば、そこから先は三田(啓貴)選手、伊野波(雅彦)選手、藤田(直之)選手が頑張らないと守備ができない状況。わりと神戸は分業制になっているし、彼ら二人は攻撃にあれだけ特徴があるので、守備はハードワークするわけじゃない。取った瞬間にうまく外せたら良かったですけど、少しグラウンドの芝も特殊でやりにくそうでしたし、そこが前半うまくいかなかった要因かなと思う。あれだけ世界レベルの攻撃に特化した選手が、僕らのペナルティーエリアの周りでプレーするとやっぱり怖い。それをできるだけ遠ざける意味でも、もう少しマイボールで握って、前でサッカーができたらと思う。
高橋義希選手
勝ち点3が必要な中で、勝ち点1という結果になりましたが、今日の勝ち点の意味を大きくするためにも残り2試合の戦い方が重要になってくると思います。
アウェイで勝ち点を取れたということをポジティブにとらえ、チームとして切り替えてやっていくことが大事だと思いますし、次に活かせるようにがんばります。
(ホーム最終戦に向けて)ファン・サポーターの皆さまには、今シーズン苦しい思いばかりをさせてきてしまいました。サガン鳥栖らしい試合をして、結果を求めて、皆さんに喜んでもらえるよう戦います。応援よろしくお願いします。福田晃斗選手
ヴィッセル神戸は前半の入りが良いと監督から聞いていました。相手に勢いがありましたし、自分たちも引けを取らないようにいこうとしたのですが、奪いどころが定まらなくて押し込まれる形になってしまいました。そこをしっかり我慢できて、体を張って守ることはできました。
後半は相手も落ちてくると思っていたので、そこで何度かチャンスを作れましたが、決めきることができませんでした。自分も含めて前線の選手の精度や後ろの組立など、しっかり練習に励んで高めていく必要があると思います。
今はアウェイで勝ち点1取れたことをポジティブにとらえています。次のホーム戦で勝てれば、今日の勝ち点もプラスになると思っています。
(ファン・サポーターの皆さまへ)何が何でも勝たなければいけないので、前回のホーム戦のような雰囲気をつくっていただけるとありがたいです。あの雰囲気の中でプレーできる選手たちは幸せですし、そういったところで自分たちも恩返しができたらと思います。勝てるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
ヴィッセルを率いるフアン マヌエル リージョ監督の、試合後の会見が実に面白いと評判だ。
多くの監督は試合を総括する際、抽象論で試合を振り返ることが多い。
戦術的な理由もあり、詳しくは言えないこともあるのだろう。
そのため、どうしても「精神論」的な話が多くなる傾向にある。
そんな中、リージョ監督は自分が選手に求めたこと、それに対する選手のアプローチはどうだったのかなど、細かく語ってくれる。
それはあたかも、記者の存在を通じて、サポーターにサッカーの楽しみ方を教えてくれているかのようだ。
そしてこの試合でも、リージョ節は健在だった。
鳥栖は引いて守る戦い方をチームとして徹底しているため、こうした流れになることは想定内であった。
それを打開するためにアンドレス イニエスタとルーカス ポドルスキは、鳥栖のダブルボランチである高橋秀人と高橋義希の裏でプレーさせたかったが、鳥栖がコンパクトすぎたため、そこは使えなかった。
その代わりにヴィッセルのボランチに対するプレッシャーは緩く、そこからサイドを使って深い位置まで攻め入る場面はあったが、最後の部分で人数をかけて守る鳥栖を崩しきれなかった。
このように試合の流れを語ってくれたのだが、これがこの試合の全てだ。
その上でリージョ監督は、ヴィッセルの選手が献身的に努力した結果としての無失点を称えた。
前節の試合後、2得点を挙げたポドルスキについて尋ねられた際、最後まで守備に貢献した動きを取り上げ、得点と同等に賞賛していたように、リージョ監督は守備について言及することが多い。
これはリージョ監督が常々口にしているように、攻撃と守備は不可分にあるためだ。
良い攻撃ができているということは、相手に攻め入る隙を与えないということでもある。
スコアレスドローであったとはいえ、決定機はヴィッセルが圧倒的に多く、鳥栖にほぼ付け入る隙を与えなかったということは、ヴィッセルが正しく攻め続けていたということの現れでもある。しかし結果はスコアレスドローである。
シュート12本を放ったが、最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。
試合を通じてボールを支配することには成功したが、ゲームは支配できなかったということだろう。
鳥栖の布陣や戦い方は、前述の通り、リージョ監督の想定内にあり、ゲームの流れも概ね予想通りだったのだろう。
だからこそ前にボールを動かしながらも、64%という高いポゼッション率を達成することができた。
こうした試合の後は、「決定力が課題」という言われ方をすることが多い。
しかし筆者は、これに対しては少々異論がある。
ここで言う「決定力」とは「得点力」や「攻撃力」と同義で使用されている。
そのため大量得点を挙げて勝利した試合の後は「持ち前の攻撃力が爆発」といった評価を受けるが、無得点に終わると「決定力に課題」という言い方をされる。
同じチームでありながら、こうまでも評価が乱高下するのは少々論理性を欠いているのではないだろうか。
以前にも書いたことがあるが、ゴール前を固めた相手を崩し得点を奪う際には、傑出した個人の力や相手との兼ね合いなど、様々な不確定要素が影響している。
中には偶然性に頼ったゴールもある。
こうしたものを「チームの力」として捉えてしまうと、それはスコアのみでサッカーを語るといった、短絡的なものになってしまい、チームの本質を見失ってしまう。
ひいては、サッカーの楽しさをスポイルしてしまうことにつながってしまう。
やはり大事なのはそこに至る過程であり、理論的に構築された部分を見ることなのだろう。
そうした観点からこの試合を振り返ると、ヴィッセルの進歩を実感できる試合だったといえる。
このところ毎試合書いていることだが、今のヴィッセルは試合を重ねるごとにその錬度を高めている。
その流れはこの試合でも顕著であり、未だ成長は止まっていない。
鳥栖の早く激しいプレスに対して、「相手をひきつけてつなぐ」というプレーを淀みなく90分間続けた。
これこそが最大の成長である。
同時に、最後まで「守備の際はコンパクトに陣形を保つ」という部分も徹底されていた。
これらはリージョ監督が志向するサッカーの基本に位置するプレーであり、これができた上に細かな戦術が積み上げられていく。
ほんの数試合前は、これが60分程度しか持たなかったことを思えば、その成長速度には驚かされる。
現在のヴィッセルにとって、鳥栖のような戦い方を見せるチームは、決して組みやすい相手ではない。
繰り返しになるが、鳥栖は全体をリトリートさせてゴール前を固めた上で、激しいプレスをかけ続けてくる。
そしてボールを奪うと素早くゴール前にボールを送り、そこで高さと強さのあるFWの選手がシュートを放つといったシンプルなサッカーを展開してくる。
選手層を見てもトーレスを筆頭に金崎夢生、原川力、小野裕二といった能力の高い選手が揃っており、最後尾には現役代表の権田修一が控えている。
各所に実力者をそろえたこの鳥栖を相手に、ヴィッセルは攻守で相手を圧倒した。
鳥栖にとってチャンスといえば、46分にトーレスがドリブルでペナルティエリア内に進入し、こぼれ球を金崎がペナルティエリア内でシュートしたシーンくらいだった。
リージョ監督の求めるサッカーを90分間続けるだけの、「頭のスタミナ」がチームに備わってきたためだ。
こうしたサッカーができるようになった直接的な要因は、もちろんイニエスタの存在に拠るところが大きい。
どんな体勢でもボールを収め、相手にマークされてもそれを簡単に外し、味方にボールをつないでいくイニエスタは、ヴィッセルの選手にとっては最も安全な「ボール預かり所」となっている。
全ての選手が迷い無くイニエスタを第一選択肢としているため、プレーに迷いが無い。
相手もそれが解っているため、イニエスタには複数のマークをつけているのだが、当のイニエスタが全く問題としていない。
この試合では3人に囲まれる場面もあったが、見事なダブルタッチで相手をかわし、そこから前にボールを運んでいた。
相手が身体を寄せてきても、イニエスタはそれを正面から受け止めるのではなく、相手の勢いを流すように身体の軸を移動させ、相手をコントロール下に置いてしまう。
その様は合気道の達人を見ているかのようだ。何よりもイニエスタにボールが入ると、そこでスピードを落とすことなく味方につないでくれるため、ヴィッセルのプレー速度が一向に落ちない。
普通はボールを持った瞬間にはスピードが一時的に緩むのだが、イニエスタに限ってはそれが全くないように見える。
イニエスタについてこれまで対戦した選手が口を揃えるのは、「飛び込む隙が見つからない」ということだ。
飛び込んでも交わされてしまうという雰囲気があるため、相手選手はその周りを衛星のように動き続けるしかない。
ヴィッセルに合流当初は、周りの選手がその動きについていけなかったため、イニエスタがプレースピードを落とすことで合わせていたように見えたが、この試合ではスピードを変えることなくプレーできていたのは、それだけ周りとの融合が進んでいるということだろう。
その象徴が23分のプレーだ。
イニエスタがドリブルで二人をかわし前進したが、相手が身体を寄せてきたため、そこでボールを離したのだが、後ろに位置していた三田啓貴がそのボールを奪い前にドリブルを開始した。
このようにイニエスタのプレーを周りも理解し、そのフォローを意識しているため、ヴィッセルのプレーにスピード感が生まれてきた。
筆者の如きものが言うことではないが、それにしてもイニエスタの技術には舌を巻くばかりだ。
先日テレビ番組のインタビューで三浦淳寛スポーツダイレクターが「これまで自分が直接見た中ではジダンが最高だと思っていたが、間近に接していてイニエスタが最高だと思うようになった」と語っていたが、これはお世辞でも何でもなく、三浦SDの本音だろう。
イニエスタの特殊性はスタッツからも見て取れる。
この試合におけるスプリント回数は1。
GKの前川黛也と同じ回数だ。
しかし走行距離はチーム2番目の10.87km。
一気にスピードを上げることはないが、常に動き続けながら、難しいプレーをいとも簡単そうにこなし続けているのだ。
映像で見ていたFCバルセロナ時代も巧いと感じたが、円熟期を迎えた今、イニエスタは他の選手たちよりも一段高いステージでプレーしているようにさえ感じられる。
前回も触れたが、このイニエスタを活かすためにリージョ監督は伊野波雅彦を起用している。
伊野波をボランチに配し、攻撃時には前に上げてイニエスタとポドルスキの護衛役を務めさせている。
その結果、両者の守備負担は軽減され、相手ゴールに近い位置で攻撃に圧力を加えることができている。
守備時には最終ライン近くまで戻し、藤田直之のフォローをさせているため、藤田も以前よりは高い位置にポジションを取ることができている。
これによって藤田-イニエスターポドルスキという流れが確立でき、その周りを三田が動くことで、攻撃に厚みが生まれている。リージョ監督が構築した今の形で、鍵を握るのはサイドバックだ。
イニエスタが中央に入ったとき、そこには左サイドバックが高い位置を取ることでスペースを埋める。
サイドバックが上がった際には、センターバックが開き気味になり、本来の位置とサイドバックとの中間ポジションを取る。
最終ラインの中央には藤田と伊野波のどちらかが下がれる態勢を取っている。
同様に右からポドルスキが中央に入った際には、右サイドバックが上がらなければならない。
ここがこの試合の鍵だった。
この試合で右サイドバックに起用されたのは藤谷壮。
藤谷は何度か高い位置に進出して攻撃にも関与していたが、全体的にその回数は少なかった。
伊野波が何度もスペースを作る動きで藤谷を呼び込もうとしていたが、それに応えきれたとはいえそうに無い。
久し振りの先発出場となった藤谷にとっては、後ろにスペースを作り出すリスクが気になったのかもしれない。
鳥栖との試合では、以前対面した吉田豊に背後を衝かれ続けた記憶もあったことだろう。
しかし、それでも藤谷には思い切って上がる場面をもっと作り出して欲しかった。
スピード豊かで、足もとの技術もある藤谷が右サイドをつくことが出来ると、左右にティーラトンと藤谷が控え、中央ではイニエスタと藤田が縦関係となり、前線に古橋亨梧とポドルスキ、そしてフリーに動ける三田がスペースを動きくという、「超攻撃的態勢」が整う。
これだけの選手が相手陣内でポジションを取ることができれば、攻撃に連続性が生まれる。
実際にこの試合で藤谷が相手陣内の深い位置まで攻め入ったときは、ヴィッセルの攻撃には厚みが生まれ、さらにバランスも取れた形になっていた。
もう一点、藤谷についていうと縦に上がる際、大外の走路ばかりを気にしないようにして欲しい。
それよりは伊野波やポドルスキとの横の関係性を見ながら、走路を変える柔軟さが欲しい。
相手との縦関係だけではなく、味方との横関係を把握しながら動けるようになれば、取るべきプレーは自ずと定まってくるだろう。
前節、右サイドバックで勝利に貢献した三原雅俊をベンチに置きながら、最後まで起用されたことの意味を、藤谷にはもう一度考えて欲しい。
それを託すだけの才能の持ち主であることは、誰もが認めている。
ティーラトンのようなキックは無いかもしれないが、それを補って余りあるスピードが藤谷にはあるのだ。
ヴィッセル、そして日本の翼へと羽ばたいて欲しい。守備面でも成長が見られた。
特に目を引いたのは、ネガティブトランジッションの際に見せるスピードだった。
ボールを失った瞬間、全体が守備に切り替わり、ボール近くの選手が複数で強くプレッシャーを駆けていくことで、再びのボール奪取を何度も見せていた。
攻守の切り替えと言い換えることもできるかもしれないが、従来言われていたそれとはニュアンスが異なっている。
巧手の切り替えを口にする監督は以前から多かったが、多くはボールを失った際に守備の陣形を整えることを要求していた。
しかし、今ヴィッセルが見せているネガティブトランジッションは守るためではなく、ボールを再奪取して攻撃につなげるためのものである。
現象としては同じように見えるのだが、この意識の違いは大きい。
その結果として鳥栖の守備と攻撃を分断し、能力の高い攻撃の選手たちを抑えこんだことは、今後への自信となるだろう。この試合では鳥栖が置かれている複雑な立場も、試合を難しくしていた。
「残留争い」から抜け出すためにも勝点3を求めているのは当然だが、リスクを犯した結果の勝点0を許容できる立場には無いことが大きい。
「勝つしかない」チームと、「負けるわけにいかない」チームの違いといえば、解りやすいだろうか。
鳥栖が最後まで重心を後ろに置き続けていたため、フィニッシュの部分に難しさが生まれてしまった。
ポドルスキは5本の枠内を含む7本のシュートを放ったが、最後までゴールをこじ開けることはできなかった。
その中には高橋秀人のハンドかと思われたものもあったが、この試合最大のチャンスは63分のシーンだった。
イニエスタが左サイドの敵陣中央から出したループパスを三田が落とし、ポドルスキがペナルティエリア内からシュートを放った場面だ。
ここではポストを叩いてしまった。
ここで悔やまれるのは古橋のポジションだ。
ポドルスキがシュートを放った際、ゴール前にいた相手選手の後ろに立っていたのだが、彼らがボールウオッチャーになっていただけに、その背後を取っていればゴールを奪えていた可能性は高い。
試合後に古橋は、もっとボールを引き出す動きをしたかったと反省の弁を口にしていたが、不慣れなワントップをこなしていることを思えば、十分チームに貢献しているといえるだろう。
寧ろ、不慣れながらも確実に試合の中でチャンスを作り出す適応能力の高さは賞賛に値する。
今後、どのような形での起用になるかは解らないが、ポドルスキと並んで最もゴールの雰囲気を漂わせているのは古橋だ。
いよいよリーグ戦も残り2節。
このメンバーで戦えるのは180分しか残されてない。
こんばんわ。
残留確定させれなくて残念でしたが、中盤での守備の意識や、ポルディに迫力が出てきましたね。
左サイドからの攻撃はもう少しといった感じでしたし、監督がリージョになってから本当に色々改善されてますよ。
次節は絶対勝ってほしい!