【8/11 第21節】神戸vs磐田 「やりたいサッカーを選手が理解してやってくれました(吉田監督)」

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神戸――ポドルスキをどこに当てはめるか
J1リーグ21節
ヴィッセル神戸-ジュビロ磐田
8月11日(土・祝)/19:00/ノエビアスタジアム神戸
 
ヴィッセル神戸
今季成績(20試合節終了時):5位 勝点29 8勝5分7敗 26得点・22失点
 
【最新チーム事情】
●イニエスタが再来日。今節からの先発復帰が濃厚。
●左腓腹筋肉離れを負っていたポドルスキが復帰。
●カタール人DFのアフメド・ヤセルが加入。8日からチームに合流している。
【担当記者の視点】
 ついにイニエスタとポドルスキの共演が実現しそうだ。システムはイニエスタを活かすための4-3-3となりそうだが、注目はポドルスキをどこに当てはめるか。右ウイングで起用する可能性が高いが、吉田監督はいくつかのパターンを試しているようだ。

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 磐田戦のポイントは、いかに自分たちの形を作るか。イニエスタとポドルスキを中心とした前線のコンビネーションも重要になる一方で、渡部、大﨑ら後方の正確なビルドアップも不可欠。特に、大﨑からポドルスキへの縦のラインがつながれば、攻撃の幅はより広がるはずだ。

続き:サッカーダイッジェストウェブ

“今おもろい”のはCB大﨑玲央

ルーカス ポドルスキとアンドレス イニエスタがチームに合流し、注目度が高まっている神戸。7月末時点でJ2得点ランキング3位(11得点)とブレイクしていたFC岐阜の古橋亨梧の移籍加入や、Jリーグ初のカタール人選手アフメド ヤセルの期限付き移籍加入など話題は尽きない。

そんな中、“おもろいな”と密かにメディア陣が注目しているのが、ワールドカップ中断期間中にJ2徳島から加入したDF大﨑玲央(写真)だ。

不動のCBチョン ウヨンの抜けた穴を埋める逸材として期待され、合流すぐに吉田孝行監督のファーストチョイスになった大﨑。当然、ワールドカップ明けの試合はスタメンだと思われたが、中断明けの長崎戦ではベンチにも姿は見られず。翌節・湘南戦もベンチ外。??と疑問符が2つ並んだ。原因は腰痛。その後、第18節・柏戦で神戸デビューを果たすと、3試合連続でスタメン・フル出場とレギュラーに定着。しかも、今まで神戸にはいなかった超・攻撃参加タイプで「大﨑いいっすね」「大﨑おもろい」と取材陣から声が上がった。

強烈なインパクトを残したのは、神戸での2試合目となるアウェイのC大阪戦だろう。北米サッカーリーグ(NASL)で身につけたタイトな守備でC大阪の杉本健勇や山村和也に決定的な仕事をさせず。その上で、自らボールを前へ運び、高い位置からビルドアップを始めるなど独特のプレーを披露した。さらに、隙あらばボランチよりも前に攻め上がるダイナミックなプレーでスタジアムを沸かせてもいる。その最たるプレーが試合終了間際のオーバーラップだった。「体力が余っていたので」と相手陣内深くまでロングラン。サイドバックかいっ!と関西風のツッコミが入りそうなくらい攻め上がってみせた。結局、大﨑にパスは来なかったが「最終的にパスを出すか出さないかは、出し手の判断なので…」と紳士的にコメント。だが、本当はパスがほしかったのでは?と攻めると「ま〜、そうですね〜(笑)」と苦笑いを浮かべた。

吉田孝行監督によると「(大﨑はCBだけではなく)一つ前もできる」という。

続き:J’s GOALニュース


試合前


https://twitter.com/Tajimaxrio/status/1028196072529653761

試合中

試合後


https://twitter.com/arise_mizuki/status/1028255163016859649


https://twitter.com/kuromame2650/status/1028303858479456256

吉田 孝行監督

ホームでたくさんのサポーターが入った中で最高の試合ができたと思っています。前半から自分たちが目指している、やりたいサッカーを選手が理解してやってくれましたし、後半も同じようにやってくれました。

最後はちょっとPKを取られて2-1となり、少し危ない雰囲気も出ましたが、最後までよく戦ってくれたと思います。

-イニエスタ選手とポドルスキ選手が出場しました。以前には左サイドでの起用を示唆されていましたが、今日はポドルスキ選手を右サイドに配置されました。この狙いについてお願いします。

私の中では今、ポドルスキに対して3つのオプションを持っていて、どれも手応えを感じていますが、一番は右に置くことがいいのかなと。相手への対策を考えたり、自分たちのバランスも考えて今日は右サイドに配置しました。

引用元:ヴィッセル神戸公式

ジュビロ磐田 名波 浩監督

粘り強く、我慢強くやっていこうという中では、立ち上がり15分で失点してしまったのは、非常にもったいなかったと思いますし、次の1点が勝敗を分けるぞという中で、後半10分くらい、あの立ち上がりでの失点ももったいなかったと思っています。

もったいないで言ったら特に2点目のほうは、セットプレーからの崩れなんですが、セットプレー崩れのものは、戦前も選手に伝えていて、しっかりとしたクリアができたときのラインコントロールとそれからセカンドボールの予測という意味では、立ち位置をしっかりとしていこうと。

それからボックス内、ボックス近くで止まるなということを伝えていく中での失点だったので、選手たちも反省していると思いますし、まだまだわれわれのそういう部分が足りなかったなと思っています。

前節われわれができていたことを逆にやられてしまって、もったいなかったなと思います。

引用元:ジュビロ磐田公式

ヴィッセル神戸 試合後選手コメント

古橋 亨梧選手

-神戸にきて初めての先発出場はいかがでしたか

まずはチャンスをいただいたことに感謝したいですし、その中で結果を残せたことは良かったと思います。

でもまだまだシュート外す場面があったり、修正しないといけない部分がたくさんあると思うのでそこをもっと直していきたいです。

-ゴールシーンを振り返って

前半からチャンスがいっぱいあったので、それを決められていたらもっとチームは楽になったと思いますが、あの形でウェリントン選手から良いパスが来たので、あとは落ち着いて流し込むだけだったので良かったかなと思います。

ホームで決められたのはひとつのきっかけにもなると思うので、これからどんどん(ゴールを)決めていきたいです。

続き:ヴィッセル神戸公式

ルーカスポドルスキ選手

-復帰戦でのイニエスタ選手への縦パスでのアシスト、素晴らしいボールでした

イニエスタ選手の素晴らしいボールがあって、すごくいい場所にランニングしていたので、本当に出すだけだったというようなゴールだったように思います。

自分自身も長い間の怪我からの復帰で、こういう素晴らしい雰囲気の中で復帰できたということと、素晴らしいゲームをできたということは、ピッチをすごく恋しく思っていたので、最高の形で戻ってこれたなと思います。

-イニエスタ選手は、ポドルスキ選手のような高いレベルの選手にはすぐに合わせられる、といったようなことを言っていたのですが、お互いの「あうんの呼吸」というのはあったのですか

もちろん今日のゴールのようなシーンは、皆が皆できるようなものではないし、そういう選ばれた能力を持った人だったらすぐにできるのではないかと思いますが、もっとも神戸には、イニエスタや自分以外にもたくさんいろんな選手がいるので、そういういろんな選手がもっともっと出てきて、神戸がもっと怖いチームになることが1番大事だと考えています。

チームには選手だけでなく、監督やコーチもスタッフも、用具係も皆ひとつのチームになって戦っているので、今はすごくいい形で進んでいると思います。

-今日は右サイドでのポジションで、そこで起点をかなりを作られていたと思うのですが、真ん中のポジションでのプレイと比べてどうでしたか

もちろん今までも右だったり真ん中だったり左だったり前だったりと、いろいろなポジションをやってきたので、そう意味で自分自身ではどこのポジションでもできると思っているので、ポジションに関しては難しい部分はなかったと思っています。

今日もそういうチームの戦術のポジションでやって機能したということで、試合に勝てて、いい形でプレイができました。次の試合に関してはどういう形でやるか、戦術も含めてわからないので、どのようになっていくか楽しみです。

続き:ヴィッセル神戸公式

アンドレス イニエスタ選手

-今日のJリーグ初得点、非常に素晴らしかったゴールでした

本当に喜んでいます。素晴らしいパスを受けて、いいゴールを自分のホームスタジアムで決められた事に満足しています。
このまま勝点3を積み重ねて、このリーグを戦っていきたいと思います。

-監督からは練習で何度も出ていた形だという話がありましたが、(ポドルスキ選手との)連携の部分は高まっているというなという手ごたえはありますか

ルーカス(ポドルスキ選手)のようなレベルの選手はある意味簡単なことだと考えていて、大事なのはお互いのコンディションを上げていき、さらにいい結果を残せるようにすることだと思います。

続き:ヴィッセル神戸公式

ジュビロ磐田 試合後選手コメント

大井 健太郎選手

-イニエスタ選手について

常に危ないところで待っていた印象です。前半、オフサイドでしたが、ドリブルで運んで浮き球でスルーパスを出された場面がありました。

ボールを扱う技術はもちろんですが、ボールを受ける位置などそういう部分で非常に気の利いた、自分たちが捕まえづらい場所にいるのが上手いなと。

なかなか相手に当たられないようなポジションを取るのが上手いと感じました。自分たちが抑えることが出来なかったことが悔しいです。

引用元:ジュビロ磐田公式

松浦 拓弥選手

―今日の試合を振り返って

勝てなくて悔しいです。チームとして自陣でのミスが多かったですし、ルーズボールに対する一つめのボールの精度というのが勝敗を分けたと思います。

ミスが続いてしまって、押し込まれてしまったことが一番良くなかったところです。

自分自身もっともっと精度を上げたかったですが、またすぐに試合がありますし、次勝って、上に食らいついていきたいなと思います。

引用元:ジュビロ磐田公式

山田 大記選手

―今日の試合を振り返って

前半は耐える時間が長いと分かっていた中で、1点取られてしまいましたが、1点で抑えたという捉え方をしていいと思っていて、後半攻めに転じる中でチャンスを作りながらも点を取り切れなかったことが、やっぱりすごく悔しい試合になってしまいました。

監督からも試合前、今日は結果がすべてだと言われた中で、負けてしまったのは本当に悔しいです。

―自身のプレーについて

ゴール前に迫って行く過程の中では、やりたいことが出来ていたのかなと思います。

スペースが空いてくるというのは夏場の試合では当たり前のことですし、自分たちがチャンスを作ることができるというのはイメージ通りでしたが、最後の質という部分で決め切れなかったので、まだまだ力不足だと感じています。

引用元:ジュビロ磐田公式

一体、ヴィッセルはどんなチームになっていくのだろう。
つい、こんなこと妄想に耽ってしまうほどのインパクトを持った勝利だった。
人気漫画『ドラゴンボール』の作中に、戦うごとに形状を変え、強さを増していくキャラクターが登場した。その最終形態につけられた言葉が「完全体」。
この作品以降、元来、数学で用いられていたこの言葉は、進化の最終形態という意味で使われることが多くなったようだ。
これに倣えば、ヴィッセルは「完全体」に向けて、その進化の過程は新たな段階に突入した。
常に選手が入れ替わっていくサッカーチームは、進化を続けなければならない宿命を背負っているため、「完全体」という言葉を適用するべきではないのかもしれないが、そう言いたくなってしまう程、この試合で見せた姿からは強烈な印象を受けた。

 全てのサッカーファンが注目した試合だった。
その理由はもちろん、アンドレス イニエスタとルーカス ポドルスキの競演だ。
世界に名を轟かせてきた両選手が、日本で初めてチームメートとして戦うという事実は、世界中でニュースとして配信された。
試合後、ルーカス ポドルスキのパスを受けたアンドレス イニエスタがJリーグ初ゴールを挙げたというニュースは、日本国内に留まらなかった。
アンドレス イニエスタの古巣であるFCバルセロナはもちろん、FIFA.COMやゲイリー・リネカー氏など、様々な機関や個人が動画とともに投稿している。
試合後、お立ち台に上がったアンドレス イニエスタが見せた、どこか淡々とした表情との対比で考えると、何とも面白い構図だが、見ている我々が受けた衝撃は想像以上だった。
三木谷浩史会長からの2年連続のプレゼントは、想像していたよりも大きなものだった。
このようなプレーを観る機会を与えてくれたことには、感謝しかない。

アンドレス イニエスタのゴールが衝撃的だったため、そこにばかりフォーカスされてしまうが、この勝利が「チーム強化」の賜物だったことを忘れるわけにはいかない。
決勝点を挙げた古橋亨梧、その決勝点に絡んだ大﨑玲央といった新加入選手がチームにフィットし、確実に戦力となってチームを上に押し上げる効果をもたらしている。
つい先日まで、彼らはJ2リーグで戦っていた事実を前にすると、ヴィッセルのチーム強化が「名前」に囚われることなく、選手の能力を正しく見抜いていたことが明らかになる。
ここに右サイドバックで90分間プレーした三原雅俊のことを考え合わせれば、的確な補強と既存選手のレベルアップによって、今のチームが構成されていることが解る。
この試合でベンチ入りしていたカタール代表のアフメド ヤセルを加え、「多国籍軍」となったヴィッセルだが、この進化がどこまで続くのか楽しみになってしまう。

 アンドレス イニエスタとルーカス ポドルスキをどのように配置するか注目された試合でもあったが、吉田孝行監督は4-3-3のフォーメーションを採用した。
中盤は藤田直之をアンカーとして、右インサイドハーフにルーカス ポドルスキ、左インサイドハーフにアンドレス イニエスタという並びでゲームに入った。
前線はウェリントンを中央に置き、右に郷家友太、左に古橋という並びだった。
試合後、ルーカス ポドルスキのポジションについて3つのオプションを持っていると語った吉田監督だが、この日の配置も効果的だった。
一本のパスでサイドを変えることのできるアンドレス イニエスタとルーカス ポドルスキを横関係にすることで、ヴィッセルの攻撃に幅が生まれた。
どちらか一人の選手だけであると、幅の使い方が一方向になってしまうが、二人が揃うと左右両方から斜めにボールを送れるため、相手のディフェンスラインを広げることができる。
古橋、郷家ともにタッチライン沿いでそのボールを受けることができるため、いわゆるハーフスペースに走路を確保することができる。
これによってヴィッセルの攻撃は多層的になった。
さらに藤田と大﨑が連動しながら全体を前に押し上げてくるため、相手陣内でコンパクトな陣形を保つことが出来た。
この試合でセカンドボールを支配することができたのは、その結果だ。

さらにこの両雄がピッチ上で揃うと、攻撃のスイッチが前になる。
どちらか一人になったときは、そこにマークが集中し、確実にボールを捌くためにポジションを落とさざるを得なくなってしまう。
しかし両者が揃っていると、相手のマークは分散せざるを得なくなり、優位性を保つことが出来る。
この両者の守備面を不安視する声も戦前には聞かれたが、全く問題はなかった。
両者ともやるべきことが解っているため、守備においても高いクオリティーを見せていた。
さらに後ろに下がりすぎないよう、前の古橋と郷家がスプリントを繰り返し、アンカーの藤田と連携することで「アンカー脇」と呼ばれるスペースも管理できていた。
古橋、郷家の運動量は増えていくが、このポジションには大槻周平や田中順也、さらには渡邉千真など実力者が揃っているため、戦力的にも問題はない。

試合後、磐田の選手から聞かれたコメントは、攻撃面に関する反省ばかりだった。
この試合で見せたヴィッセルの攻撃に対する対処法は、見つからなかったのではないかと思う。
今季取り組んできた意識革命の結果、自分たちでボールを支配することができるようになった。
加えてボールが収まるポイントが複数個所に増えたことで、時間も支配できるようになった。
さらにマークが分散したことで、アンカーの藤田はプレッシャーのない状態でボールを捌く時間が増えた。
こうなってくると、ヴィッセルは思い通りにボールを動かすことができる。
全員が揃ってからの時間を考えれば、連携面ではまだ改善の余地があるはずなのだが、それですらここまでのクオリティーを見せたのだ。
これで連携が高まっていったならば、一体どのようなサッカーに変質していくのだろうかと楽しみになってしまう。
これまでのJリーグでは見たことのないレベルのチームに成長していくのではないだろうか。

 ケガ明けで久し振りの出場となったルーカス ポドルスキだが、未だコンディションは万全ではないようだが、それでもさすがの存在感だった。
先制点をアシストした場面もそうだったが、ボールを受けてからのキープ力や振り幅の小さなモーションから放たれる正確で強烈なキックは超一流だ。
この試合では右サイドでのプレーが多かったが、ボールを持ってから中にカットインすることで、相手のマークを引き付け、右サイドにスペースを作り出していた。
そのため三原や郷家には広大なプレースペースが生まれた。
磐田の守備が、スペースを管理するやり方ではなく、人に付くことを逆手に取った見事なプレーだった。
自身が動くだけではなく、ルーカス ポドルスキから左サイドの古橋やティーラトンにピンポイントのパスが通るため、先述したように磐田の守備は広がる一方で、ヴィッセルの選手はスペースを見つけやすかったことだろう。
この試合でルーカス ポドルスキが放ったミドルシュートは枠を捉えなかったが、吉田監督のオプションの中にルーカス ポドルスキを1列目で使うというものがあれば、強烈なゴールを挙げる場面も訪れるだろう。
闘争心を前面に出す主将の復帰は、チームを活性化する。

 そのルーカス ポドルスキが起点となって生まれた先制ゴールは見事だった。
15分にルーカス ポドルスキがスピードに乗ったスルーパスを送り、中央にカットインしていたアンドレス イニエスタが相手選手の前でそのボールを受け、ターンだけでかわし、最後は1対1になったGKもかわして角度のない位置からシュートを決めた。
この両雄から生まれたゴールには、「美しい」という言葉がぴったりしている。
パスのスピード、コースとも完璧なら、受けたアンドレス イニエスタの足の裏を使った見事なボールコントロール、そして素晴らしいボディバランスでのターンなど、サッカーの醍醐味が全て詰まっていた。
このゴールが決まった瞬間、スタジアムの盛り上がりは最高潮に達した。
同時にこのゴールは、磐田の選手たちの心を折った。
アンドレス イニエスタにかわされた大井健太郎は、試合後、半ば呆れたように「僕が言うのもなんですが、巧かったですよね」と振り返っていた。

 様々な勝負の世界に生きる人に話を聞いてきたが、その誰もが「桁の違い」を見せつけられた時に心が折れるという。
「格の違い」は実力をつけ、経験を積むことで追いつけるが、「桁が違う」というのは、そもそも立っているステージが違うのだから、どうにもしようがない。
このゴールは、残念ながら今の日本とヨーロッパの強豪国との差を表していたようにさえ思えるものだった。

 磐田は、ポゼッション勝負に持ち込むことは考えていなかったようだ。
磐田を率いる名波浩監督は、以前からヴィッセルのポゼッションサッカーを高く評価していた。
だからこそ、序盤に前から激しいプレスをかけることで主導権を握ろうとしたのだろう。
その狙いはティーラトンだった。
これは他のチームも同様だが、ティーラトンに対してプレッシャーをかけることは、ヴィッセルの攻撃を封じることにもつながるため、ここを狙ってくる。
ファウル覚悟の激しいプレッシャーだったが、ヴィッセルはここを巧く凌いだ。
藤田や渡部博文のフォローも見事だったが、何よりも前線から一気に戻って守備に入った古橋の動きは見逃せない。

 決勝点を挙げた古橋だが、この試合でヴィッセルでの初先発を果たした。
2試合目にして、ヴィッセルのサッカーに適応しているのは驚異的ではあるが、冒頭で書いたように古橋の特長がヴィッセルのサッカーに嵌ると読みきった強化スタッフの目の正しさには敬意を表したい。
前半は何度かあったシュートチャンスを逃していた古橋だが、その動きは素晴らしかった。
左サイドでタッチライン沿いから中に向けて動くコース取りは、見事だった。
これは教えてできることではなく、古橋が高いセンスの持ち主である証左だ。
古橋はボールを持ったとき、ゴールまでの道筋を考えているように見えた。
そのため、顔が常にゴール方向を向いている。
決勝点について本人は「ウェリントンからいいパスが来たので、落ち着いて流し込むだけだった」と語っていたが、言うほど簡単なものではなかった。
相手GKが見せたシュートコースの消し方は完璧であり、少しでもコースを外していたらポストを叩いていただろう。
この先も厳しいポジション争いが続くだろうが、ルーカス ポドルスキとのホットラインが生まれる予感は十分だった。

 この古橋のゴールに至る流れも見事だった。
56分にヴィッセルのCKを一旦はクリアされるが、そのクリアボールをダイレクトに前に出したアンドレス イニエスタ。
その高いボールをジャンプして相手の守備ラインの間に入っていたウェリントンにつないだ大崎。
そして左でゴールまでのコースを見つけていた古橋に落としたウェリントンと、全員がダイレクトプレーでボールをつないだ。
「止めて蹴る」といった昔の理論に拘泥していたら生まれなかったゴールだった。

 このつなぎの中に顔を出した大﨑だが、アンドレス イニエスタとルーカス ポドルスキが揃うと、その存在はさらに増す。
最終ラインで受けたボールを簡単に前に蹴るのではなく、追ってきた相手を1枚以上剥がしてから前にボールを出せる大﨑は、攻撃のスイッチを入れる役割も果たしている。
足もとの技術があればこそのプレーではあるが、最終ラインで相手のプレッシャーをいなすプレーを選択できる勇気も大﨑の武器だ。

 その大﨑を活かしているのが、隣で安定した守備を見せる渡部の存在だ。
ゴール前でのカバー能力に優れている渡部がいればこそ、大﨑は攻撃のスイッチを入れる勇気を持つことができる。

(中略)

この素晴らしい勝利を前にして、一人の人物を思い出した。
それはヴィッセルの副会長を務めていた三木谷良一氏だ。
シーズン終了後に、1年を通じてヴィッセルで最も活躍した選手に送られる「三木谷良一賞」に名前を残している「良一先生」は、本当にヴィッセルを愛していた。
まだ見学者もまばらだった以前の練習場で、ピッチ脇のベンチに腰を下ろし、愛おしそうに練習を見つめていた姿が忘れられない。
我々の問いかけにも穏やかに対応してくれた姿は、高名な経済学者のそれではなく、サッカーを愛する優しい紳士のものだった。
あの頃とは比較にならないほど強くなった今のヴィッセルを、「良一先生」も天国から微笑みながら見つめているような気がした。

今日の一番星

[アンドレスイニエスタ選手]

この試合の一番星は、この選手をおいて他にはない。世界を魅了してきたスーパースターが、その実力をJリーグのピッチでも見せ付けた。ボールタッチの柔らかさもさることながら、小さな半径で無駄なくターンしてしまうボディバランス。相手の動きを見て、少しボールを手前に引きながら受ける柔軟性。狙ったところにボールを蹴る技術、全てが超一流だった。磐田の選手が口にしていたように、飛び込めない位置を見つけ、そこからボールを操るため、ファウル以外には止めようがない。本人にとっては「普通のプレー」なのかもしれないが、真似のできるものではない。さらにヴィッセルのチームメートが語るように、味方の力量に合わせてパスをコントロールしてくる。「イニエスタとプレーしていると、巧くなったような気がする」と語る選手が多いのは、そのためだ。「ここに走れ」とボールを通して叱咤激励してくるルーカス ポドルスキが剛の先生ならば、アンドレス イニエスタは柔の先生といったところか。これから先、どんなプレーで我々を驚かせ、楽しませてくれるのだろう。これほどの選手に「一番星」などつけるのはおこがましいような気もしてしまうが、賞賛と感謝の意を込めて文句なしの一番星。

続き:ヴィッセルViber公式アプリ


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