【7/22 第17節】神戸vs湘南 「ホームでたくさんのお客さんの入った試合で0-3と完敗してしまい申し訳ない(吉田監督)」

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22日の湘南戦でイニエスタデビューは決定的のようです。先発は本人が難しいと語っていますが、楽しみで仕方がないですね!

神戸に完全移籍で加入したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、デビュー戦となるあす22日の湘南戦でスーパーサブとして起用される見通しとなった。21日に神戸市西区で非公開調整。練習後に取材に応じた吉田孝行監督は「試合のどこかのタイミングで絶対に使います。ベンチで、途中から出るプラン」と明言した。

続き:スポニチ


試合前


https://twitter.com/Tajimaxrio/status/1020926861918912512

試合中

試合後

紹介しているのはコメントの一部ですので、全文は引用元のヴィッセル神戸公式をご参照ください。

吉田孝行監督

まずはこれほどホームでたくさんのお客さんの入った試合で0-3と完敗してしまい、情けなく思うとともに、本当に申し訳なく思っています。試合を振り返りますと、相手はカウンターやセットプレーで何かを仕掛けてくるというのは、ある程度予測はしていました。でも結局はやられてしまいました。自分たちは自分たちのスタイルを貫いてやろうとしましたが、前半は少しボール受けようとする選手が少なかったことと、もう少し中央に人数をかけたほうがいいなと感じ、後半は少しワイドの大槻と田中を中にポジションを取らせてやろうとしていました。途中でイニエスタを入れて、4-3-3にシフトしました。選手たちは戦う気持ちを持っていたと思いますが、どこか一つ、誰が悪いというのではなく、一つひとつのプレーの判断が遅かったり、もう少し早く飛び込んでいたらヘディングできていた、など、そういった少しずつのズレが得点できなかった原因でもあるかなと思っています。

―イニエスタ選手のプレーの印象と、投入したタイミングや狙いについてお願いします。

本人とコンディションの話をしたところ、30分くらいが限界かなと感じていました。試合展開としては彼が必要になり、30分プレーしてもらいましたが、プレーは自分のプレーを淡々とやるタイプだと思います。随所にいいプレーもありましたが、準備期間が短かったということもあり、周りの選手がイニエスタのプレーを理解すれば、もう少しいい反応ができたと思います。そのあたりは今後、時間が経つにつれて良くなっていくと思います。

―今日の試合はウェリントン選手の高さを生かし切れなかった印象ですが、そのあたりについてお願いします。

ウェリントンの高さは強みですが、少しクロスを上げるタイミングがズレたり、ウェリントンが中に入るタイミングが少し遅れたり、その両方があったと思います。そういうところが合わなかったのが無得点につながったのかなと思います。

―イニエスタ選手はスルーパスなどプレーの引き出しが多いと感じました。彼の加入によって今後、いい方向に向かっていくという手応えは?

これから時間を重ねれば、必ず良くなっていくと思います。もっとテンポ良くパスを回せるようになるはずですし、そこから鋭いパスも出せる選手ですから。

続き:ヴィッセル神戸公式

田中順也

-試合を振り返って

揺さぶりがたりなかったり、二次攻撃がなかったので、全部クリアボールが相手に渡ってしまっていました。攻撃する側としてはすべて回収して欲しいですし、それがいきなり相手のショートカウンターにつながり体力的にもきつかったです。もっと集中してボールを回収しなければいけないと思います。

-ヴィッセルのスタイルは徹底していたと思いますが

相手が辛抱強くやったというだけで、これで自分達が自信を失うべきでではないと思います。今はクロスをヘディングで点をとれる選手がいるので、今日はたまたま点が入らなかったですが、今後もそこは自信を持っていきたいです。

-イニエスタ選手が入ってからの時間はどうでしたか

すごくやりやすかったです。繋ぎの部分は申し分ないので、誰がボールを取るのかという部分でもっと成熟させていけば間違いなく良いパスが来ると思います。まだ3日間しか練習していないので、本人もきつかったと思いますし、コンビネーションもあがれば、間違いなく前にきまっていくと思います。

今日は良いパスが来て追いつかなかったので、(自分の)足が遅いなと思いました(笑)

-前半はそういったシーンがなかったと思いますが

自分達のミスで失点したので、まずは先に失点しないことが大事だと思います。しっかり映像見て、きちんと切り替えて自信を持ってやっていきたいです。

アンドレス・イニエスタ

-Jリーグデビューの感想をお願いします。

個人としては今日デビューできたこと、お客さんに温かく迎え入れられたことは、すごく喜ばしいです。しかし、チームとしては負けてしまったことが非常に残念です。私としても、負けることは好きではありません。ただ、今日という日がこれから始まる素晴らしい物語の第一歩になったと確信しています。
-スペインリーグとJリーグの違いはどういうふうに感じましたか。
まだ違いを分析するには早いかなと思います。今は変化に適応していく時間だと思います。ただ、今日プレーしてみて、フィジカルの強い選手、アジリティーのある選手などがいて、Jリーグのレベルはとてもいいものだなと思いました。これから僕も練習を重ねてフィットネスを上げて、良いプレーをしていきたい。

-実際に試合でプレーされてみて、チームにおけるご自身の役割はどう理解されていますか。

役割としては、今までずっとやってきた役割だと思っています。中盤から攻撃にかけての要になるプレーをしていきたい。そういったプレーでチームに貢献したいし、その挑戦に対してワクワクしています。それがうまくいくことも確信しています。

─2つ質問します。ピッチに足を踏み入れた時の心境を改めてお聞きしたいのと、今日はフェルナンド トーレス選手もデビューしました。そのことについてお願いします。

まずは自分のホームスタジアムで、仲間たち、そしてお客さんの前でデビューできたことについて、とてもうれしい気持ちになりました。まだこれからコンディションを上げて、もっといいプレーをしなければいけないと思っていますが、早くフィットできるようにやっていきたいと思います。フェルナンド トーレス選手は大切な友人です。彼がデビューできたことも喜んでいます 。

─コンディションは今、何パーセントくらいで、今後フル出場できるようになるまではあとどれくらいかかりそうか、教えてください

具体的に何パーセントなのかは分かりませんが、まだトップのコンディションではありません。次の試合まで1週間ありますので、そこに向けて練習でコンディションを上げていきたい。90分間できるかは分かりませんが、できるだけ多く、いいプレーができるようにしていきたいと思います。

─負けている状況で、周りと呼吸が合わないという状況で試合に出るということ自体、あまりない経験だと思いますが、ベンチで試合を見てどう分析し、どういうプレーで貢献しようと考えていましたか?

確かにおっしゃるとおりです。試合に臨む上で、ベストな状態ではなかったと思います。チームが負けている状況で試合に入るのは難しいですし、周りの選手たちはすでに何十分もプレーしている中で、さらに呼吸が合っていない僕がプレーするというのは難しさがありました。ただ、その中で、自分がやろうとしたことは、できるだけ前を向いて攻撃を組み立てること。縦パスを通すこと、それを心掛けました。先ほども言ったように、そういったプレーは今後良くなっていくと思います。

大槻周平

-0-3という結果を受けて

結果だけを見れば悔しいですが、良い場面もたくさんあり、計画通りできたことも多かったです。相手がプレッシャーをかけてくる中で、しっかりとボールを回すことができました。今日はチャンスを決めることはできませんでしたが、チャンスを作れたことに関してはポジティブに受け止めたいと思います。

-ウェリントン選手との連携がうまくいかなかった理由は

ウェリントン選手の強さが相手に警戒されていたのだと思いますが、クロスだけでなく中から攻めるなどの工夫をしないと難しいと思いました。

-個人的にはJ1通算100試合でしたね

記録よりも目の前の試合に勝ちたいという思いで今までやってきました。それが100試合になっただけで、これからも変わらず目の前の試合に勝つことだけを考えてプレーしていきたいです。

-イニエスタ選手のパスを受ける側として感じたことは

続き:ヴィッセル神戸公式

渡邉千真

相手がプレスに来ることはわかっていたし、幅を使って横に振るという狙いはあったけど、うまくつなげなかったと思う。つなぐのか、シンプルに前に当てていくのか。前で僕らも良い形で受けられなかったし、それなら相手の背後を突いて、そこから前向きに守備をするとか、そこはうまくやれなかったですね。

-アンドレス イニエスタが神戸デビューしたが?

続き:Jリーグ公式

速報版
今季最多となる、2万6000人を超える大観衆が見つめる中行われた試合で、ヴィッセルは思わぬ完敗を喫してしまった。
 この試合には2つの注目点があった。
1つは、言うまでもなくアンドレス イニエスタのJリーグデビューだ。
そしてもう1つは、前節までのリーグ戦3連勝で上位陣との差を詰めたヴィッセルが、一気に上位争いに割って入ることができるかという点だ。
名実ともにチームの顔となったイニエスタのデビューももちろん大事だが、AFCアジアチャンピオンズリーグ出場権獲得を狙うヴィッセルにとっては、この試合は是が非でも勝点3が欲しかった。
しかし、波に乗れそうで乗り切れなかったリーグ戦前半戦の戦い振りを象徴するような結果となってしまった。

 この試合を振り返る上では、『意思』という言葉が鍵となるように思う。
それについては、明日公式アプリ内で配信する本編に詳しく記す。

 この試合でリーグ戦は、折り返しとなる。
我々が期待した位置にいるわけではないが、そこを窺うことのできる位置につけていることは事実だ。
この試合を含めた、これまでの戦いで露見した弱点を補いつつ、新たに加わった大き過ぎる力を正しく使うことができれば、目標を掴み取ることは十分に可能な筈だ。
次節以降の戦いも、大いなる希望を持って見守りたい。

スペインサッカーの至宝が、ついにクリムゾンレッドのユニフォームを身にまとい、ノエビアスタジアム神戸に登場した。
今回の項は、この「魔法使い」登場から筆を起こすのが妥当であるように思う。
アンドレス イニエスタのデビューについては、日本中のメディアがマークしていた。
メディアの興味は、「デビュー戦はいつになるのか」という一点に集中し、これに対し吉田孝行監督も試合前、「22日の試合では絶対に使います」と明言するなど、異例ずくめでことが進んでいった。
26年目を迎えたJリーグ史上、最大の大物のJデビューを見届けるべく、26,000人を超える大観衆がスタジアムに詰め掛けた。
そして59分、その時はやってきた。
 渡邉千真との交代で、アンドレス イニエスタがJリーグの公式戦に登場したのだ。

アンドレス イニエスタがピッチに入った瞬間、スタジアムは異様なほどの大歓声に包まれた。
この雰囲気がプレーにどう影響するか、少々心配になったが、それは杞憂だったようだ。
様々な大舞台に立ち続け、普段からカンプ・ノウで時には9万人を超える観客の前でプレーしてきたアンドレス イニエスタにとって、こうした歓声がプレーに悪い影響を与えることなどないのだろう。
顔色一つ変えることなく、ピッチに登場し、自らに課された役割を最大限の力でこなし続ける姿は、これまでテレビ画面を通して見てきたアンドレス イニエスタそのものだった。
3分後に訪れたファーストタッチの場面でもそうだったが、相手からのプレッシャーをこともなげにかわし、味方にボールを預けていくという基本に忠実なプレーを、恐らく世界最高のレベルでプレーできる選手がアンドレス イニエスタなのだろう。
自身も認めるように、コンディションは万全には程遠いのだろうが、それでも随所で違いは見せた。
味方からのボールを足もとに収める技術や、相手の届かない位置にパスを供給していく技術は、フィジカル面のコンディションに左右されない。
 その理由を考えたとき、最もしっくりきたのは敵将の言葉だった。
湘南を率いる曺貴裁監督はアンドレス イニエスタについて「小さい頃から積み上げた、技術と呼ぶにはおこがましいくらいの状況判断、その力は類い稀なものがある」と評した。
傑出したフィジカルの強さやスピードがあるわけではないが、ヨーロッパの最高峰で輝き続けたのは、この「頭の良さ」があればこそなのだろう。
アンドレス イニエスタに限った話ではなく、一流と呼ばれる選手は頭の中でピッチを俯瞰して見た映像を再生することができる。
だからこそボールを受けたとき、複数の選択肢を持つことができる。
後はその中から最適なものを選び、イメージ通りにプレーするだけなのだろう。
子どもの頃からこの能力を磨き続けてきたことが、今に活きている。

 試合後、ヴィッセルの選手からは「イニエスタの意図を理解できるようになれば、必ず得点が取れる」という言葉が多く聞かれた。
それはその通りなのだが、そのための方法論を間違えてはいけない。
それを実現するためには、アンドレス イニエスタのプレーの癖を把握するのではなく、彼と同様の画像を脳内で再生できるような能力=「空間認識能力」を持たなければならない。
言葉でいうほど簡単なことではないが、「空間認識能力」を高める意識を持って日々のトレーニングに臨んで欲しい。
 この「空間認識能力」を高めるための方法論は、やはりアンドレス イニエスタのプレーに隠されている。
それは「姿勢」だ。
正しい姿勢を身につけることが、空間認識能力を高めることに直結していることは、既に立証されている。
常に顔を上げプレーすることを意識するだけで、これは高まるのだ。
この試合の中でアンドレス イニエスタは、常に相手を見据えながらプレーしていた。
寄せてくる相手の動きを、背後も含め、見ているため、湘南の激しいマークに対しても怯むことなく、落ち着いてボールを処理できる。
これこそが、曺監督が「飛び込めない間」と表現した空気を作り出している。
そして、オフザボールの状態からこの姿勢をキープすることで、判断速度を引き上げている。
先日閉幕したワールドカップを見ていても感じたと思うが、一流と呼ばれる選手は総じて判断が早い。
ボールを受けてからプレーを考えることなど、まずない。
これはルーカス ポドルスキにも、同じことがいえる。
これまた普段のトレーニングから意識を高めておくことができれば、プレー速度が格段に上がることは間違いない。
そういった意味ではヴィッセルの選手は日常から、世界最高のお手本を前にプレーすることができるのだ。
「自分とは種類が違う」などと尻込みすることなく、積極的にその技術を盗み取って欲しい。
それができたとき、全てのヴィッセルの選手が、これまでよりも一段高いレベルでプレーできるようになっているだろう。

 次にアンドレス イニエスタの使い方について考えてみる。
この試合ではアンドレス イニエスタの投入で、布陣をそれまでの4-4-2から4-3-3へ変更、藤田直之をアンカーとして、アンドレス イニエスタをトップ下のような位置に置き、前線は田中とウェリントン、そして大槻周平の3トップのような形になった。
アンドレス イニエスタは、その位置からウェリントンや田中順也にスルーパスを通すなど、違いを作り出していた。
しかしこの位置で固定するということはないだろう。
先日、スペイン代表でも見せていた4-4-2の、左インサイドハーフということも十分に考えられる。
三田啓貴やルーカス ポドルスキといった選手が入ってくると、またその兼ね合いで布陣は変わるかもしれないが、アンドレス イニエスタを攻撃陣に近いところでプレーさせるという点は変わらないように思う。
ここで大事なことは、アンドレス イニエスタ以外の選手が何をするかということだ。
これからの戦いの中で、対戦相手はアンドレス イニエスタへのマークを厳しくしてくることは間違いない。
ということは、他の選手にとってはプレッシャーが弱くなるということでもある。
アンドレス イニエスタが作り出した自由を巧く使う意識も必要になるのだ。
そうすることで、相手に混乱をもたらすことができるようになれば、ヴィッセルがゲームをコントロールしやすくなる。
逆説的な言い方に聞こえるかもしれないが、アンドレス イニエスタを活かすことができるかどうかは、偏に他の選手がその状況を活かせるかどうかにかかっているのだ。

 いずれにしてもアンドレス イニエスタという超大物が、ヴィッセルのサッカーを変質させる可能性は十分に感じ取ることができた。
と、ここまでは未来のヴィッセルに対する明るい話題だ。
ここからは、現実に完敗を喫した試合を振り返っていく。

 昨日、Viber公開トークで配信した速報版において、筆者は「『意思』という言葉が鍵になる」と書いた。
前述したように、この試合は日本中から注目されていた。
だからこそ、選手たちには「目立ってやる、という『意思』」を見せて欲しかった。
特に安井拓也や宮大樹といった、抜擢された選手には「自分がやれるということを示す『意思』」を強く見せて欲しかった。
そのためにも「意思」の感じられるプレーを見せて欲しかったのだが、湘南にペースを握られ、それへの対処に追われ続けてしまったことは残念でならない。
「気持ち」だけで勝てるほど、プロの試合は甘いものではないが、世間の耳目を引き付けたこの試合で強い「意思」をプレーで表現していたのは、寧ろ湘南の側だったことは認めなければならないだろう。

 この試合を難しくしたのが、三田の欠場であることは間違いない。
藤田とのボランチコンビでチームを支えてきた三田だが、その役割の一つが「ボールを前に運ぶ」ことだ。
自分でボールを前に運ぶことのできる三田が中盤にいるため、ヴィッセルの布陣は低い位置からでも攻撃に移行することができていた。
三田がボールを前に運ぶ役割を担うことで、藤田は最終ラインの近くでプレーし、ビルドアップの起点となっていた。
累積警告による出場停止となった三田に代わって起用された安井だが、その持ち味を発揮することはできなかった。
三田とは異なり、リンクマンとしての能力の高い安井を起用する以上、全体をいつも以上にコンパクトにしておきたかったが、湘南にその狙いを潰された。
試合序盤から湘南は前に圧力をかけてきたことで、ヴィッセルは低い位置での戦いになってしまった。
曺監督が「本当に素晴らしかった」と、手放しで自チームを称える程、この日の湘南の出気が良かったことは事実だが、ヴィッセルの選手たちが湘南の圧力を正面から受け止めてしまったのは失敗だったかもしれない。
湘南の勢いに押される形で低い位置での戦いに移行してしまったことで、安井から前線へのボールは距離が必要となり、それを相手にカットされカウンターを受けるということの繰り返しになってしまった。
 こうした湘南の戦い方はある程度予想されたものだっただけに、ヴィッセルの選手はそれをいなす形で前に出ていくことが必要だったのだが、そこでの形が最後まで整わなかった。
試合序盤、湘南を受ける形で試合を進めてしまったことが、最後まで響いた格好だ。
選手個々の技術レベルで言えば、ヴィッセルの方に分があると思っていたのだが、やはりチームが作り出す試合の勢いは、選手個々の技量でどうこうできるものではない。
 安井にとっては厳しい試合となってしまったが、能力のある選手であることは誰もが認めるところだ。
これから先、安井がレギュラーポジションを獲得するためには、自分に不向きな流れの試合をマネジメントする力が必要になる。
周りを巧く使い自分の得意な形に持ち込むのか、はたまた自分のプレーの幅を広げるのか。
どちらが正解ということはない。
いずれにしても、それだけのポテンシャルを秘めた選手であるだけに、首脳陣も期待を寄せている。
この試合で露見した弱点を如何にして克服していくのか、安井の成長を楽しみにしている。

 もう一人この試合で厳しい結果となってしまったのが、セッターバックで起用された宮だった。
宮の課題は、以前から指摘している通りだ。
状況に応じて蹴り足を使い分ける器用さが求められている。
湘南は、宮がボールを左に持ち返ることをスカウティングしていたのだろう。
宮が右足でボールを受けた時を狙って、プレッシャーをかけてきた。
センターバックというポジションの特性上、セーフティーにプレーする意識は絶対に必要なのだが、同時にプレッシャーをかけてくる相手をはずす動きも必要となる。
この試合の宮は、追い込まれてのバックパスや横パスも散見され、そうした時には味方にボールを渡したとしても、決して好ましい状況ではなく、湘南の勢いを加速させてしまった。
ここは勇気のいる部分ではあるが、相手を極力ひきつけて、前に展開することで相手の勢いを殺して欲しかった。
安井同様、宮もそのポテンシャルは高く評価されている。
高さ、スピードとも標準以上のものを持っている。
そして落ち着いて蹴った時には、左足から精度の高いボールが生まれる。
こうした能力があるだけに、一皮剥ければ面白い存在になれるはずだ。

 これは宮だけの問題ではないが、試合中のパスには「意思」が込められていなければならない。
大歓声の中では、声による指示は聞こえない可能性が高い。
であるからこそ、パスに「意思」を込め、どういうプレーをして欲しいのかを伝える必要がある。
追い込まれてからのパスが、責任逃れといわれる所以でもある。
そうしたパスを送るためにも、自分がボールに関与していない状況でも戦況を把握し、自分にボールが来たら何をするかを、常に決めていなければならない。
プロに入ってくるような選手の技術力の差は、それ程大きなものではない。
しかしその中で、ヒエラルキーが生まれるのは、結局のところ「頭の差」によるものだ。
戦況を理解し、その中で最適な選択肢を見つけることが出来る頭脳のある選手が「一流」と呼ばれるようになっていく。

 この試合の中で改めて感じたのは、最早サッカーは「止める・蹴る」というスポーツではないということだ。
もちろんその技術は必要だが、実際の試合の中ではそれほど悠長にプレーする機会など、殆ど存在しない。
アンドレス イニエスタを見ていても感じたが、やはり相手の予測を上回るスピードでプレーしていかなければ、相手を崩すことは出来ない。
「止める・蹴るが全て」という指導もかつては存在していたが、大事なのはワンタッチでボールをつないでいくスピード感だろう。
周りに相手がいないときであれば、確実に止めて確度の高いボールを蹴ることも必要になるが、殆どの場面では相手と「瞬間を奪い合う」のが、今のサッカーだ。
であるからこそ、普段のトレーニングの中からそれを意識し、瞬間的に判断することを繰り返していかなければならない。

続き:ヴィッセルViber公式アプリ

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